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フランス組曲 / イレーヌ・ネミロフスキー

 

フランス組曲

フランス組曲

 

 素晴らしい作品だった。

第二次世界大戦時に占領されたフランス。そこで生きるたくさんの立場の人々。

第2章「ドルチェ」では占領された村のブルジョワの家に嫁いだ若い女性と、そこに宿泊するドイツ人中尉の心の交流を描いている。

特にこの章で印象的なのは、全体を通して、いかな戦時下であろうとも敵であろうともみなそれぞれに人生があり、同じ人間であることが強く主張されているところだ。しかしこれが書かれたのは全くの第二次世界大戦の最中であり、この小説は未完成のまま、作者イレーヌ・ネミロフスキーは憲兵に連行されアウシュヴィッツで命を落としたユダヤ人なのだ。彼女はどのような心境でこの小説書いたのであろうか…。ここまで達観というかある種、客観的な目で敵を見通しているのに、皮肉にもドイツ軍によって命を落とすとき、彼女は一体なにを思ったのだろうか…。

 

 

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