かりあの読書レビュー

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殺人者の顔/ヘニング・マンケル

 

 

あらすじ

 

………をと思ったのだが、果たして今回のこの重厚な警察小説のあらすじをどう書いていいものか悩みどころである。

とりあえず言える範囲で。

ある冬の日。隣に住む老夫婦の夫が隣の家の異変に気づくところから始まる。

隣には同じく農家の老夫婦が住んでいたのだが、発見されたのは無残に殺された家主。そして瀕死の妻。その瀕死の妻もある言葉を残して死んでしまう。

 

「外国の」

 

このたった一言を頼りに捜査が進められていくが、この発言が元に起こるさまざまな問題。そして混乱するかのごとく起こる事件の数々。

主人公であるクルト・ヴァランダーはその混乱の最中で些細な糸を手繰り寄せながら捜査に挑む。

 

 

感想

 

いやー面白かった!!最後まで飽きることがなく読み終えた。

しかしとにかく登場人物が多い。

ことに脇役の刑事たちが入れ代わり立ち代わり出てきて、「あれ!?この人誰だっけ?」となるのである…。

主人公はとにかくクルト・ヴァランダー。

この刑事がまた日常生活が哀れすぎる。マイナスオプションだらけなのである。

まず数ヶ月前に離婚が成立している元妻のモナをずーーーーっと引きずっている。ホントに割とずーーーーっとww

そして二人の間にいる娘とは不和であり、画家である父親は痴呆になりかけているといった始末。姉はいるもののストックホルムにいるので遠い。その代わりにその父親の面倒もほぼ一人で彼が見ている。これだけ読んでもすごく哀れだ…中年刑事ヴァランダー…。

さて、事件の方であるが、実に凄惨極まりない。かなりの冒頭で事件が発覚し、そこから怒涛の犯人探しが始まる。

死んでしまった老夫婦の妻が残した「外国の」というわずかな言葉だけを頼りに捜査していくのであるが、その発言でまた一騒動起きてしまう。それがスウェーデンという国の問題を浮き彫りにしているなぁと感じた。移民の問題、極右の問題。

殺された家主は一見して普通の農村の男だった。それなのになぜ。なんの目的があったのか。男を中心に、浮上してくるたくさんの人々。どこをとっても怪しくもあり、動機がなくもないと感じる……。

ミステリの面白さはここにあるなと感じる面白さだった。最後の数十ページで「あれ?え?」と驚かされてあっという間に読了してしまう。

こういう面白さがあるからこそミステリは中毒になってしまうんだよなー。ここで犯人探しだとか、大どんでん返しだとかの快感を知ってしまうと、これ以上にすごいミステリがあるんじゃないかと漁ってしまう。そこがまた楽しさでもあるのだけれど。

このシリーズ、今回読んだのが第1作目。まだまだ追いかけたいと思う。

 

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