本のなかを旅する日々〜かりあの読書日記〜

本大好きのその周辺。思ったことや読んだこと。

堆塵館/エドワード・ケアリー

 

 

 

あらすじ

 

ロンドンのはずれにある堆塵館。そこはゴミの山を財産を築いたアイアマンガー一族が住んでいた。

主人公クロッド・アイアマンガーもそんなアイアマンガー一族の純血であった。

彼らはそんなたくさんの物から形成されたゴミの中で生きつつ、一人一人が生まれた時に誕生の品として贈られる物を大切にしていた。例えばマッチ箱、痰壷、トースター、ドアの取っ手、鼻毛切りハサミ…主人公クロッドは浴槽の栓。

そしてそんな彼には物の声を聞く不思議な能力があった。

この物語には語り手としてクロッドと他に、ルーシー・ペナントがいる。彼女は混血のアイアマンガーとして屋敷にメイドとして連れてこられた1人だった。

しかし一つの秩序をもとに動いていた一族と屋敷は、このルーシーが来てから混乱へと進んで行く…。

 

 

感想

 

ひたすらに面白くて面白くて、中盤からはページをめくる手がとめられなかった。いや〜面白い!!

予想外の連続、また連続で、どうなるのか見当もつかない。

まずこのストーリーの設定からして予想外だもの…。

 

最初読み始めのとき、いきなり「ゴミの山に住む一族と屋敷」だの「誕生の品」だのから始まり、おお…なんなんだこれはと思っていたのもつかの間、主人公が物の声が聞こえるとか急にいい始めて頭を抱え込んだwww

やばい、ついていけないかもこの話…なんて悩んでいたのだが、なんのその、ルーシー・ペナントが登場してからだんだんとこの話の形が見え始める。

 

あ!これ、ボーイミーツガールものだ!大好きなやつだ!

 

わかってからはもう一気読み!

登場する人々は屋敷の者もそこで働く者も全員漏れなく「アイアマンガー」という名である。純血混血であるかどうかの違いだけで。彼らはどうしてこんなゴミの中で一族の血にこだわって生きているのだろうか…。誕生の品とは一体どういうシステムなんだろうか…。

物語の冒頭から一気に有無を言わせず広げられた大風呂敷が、徐々に少しずつ折りたたまれようとしていく快感。すべてが「?」で無理やり進められてきた物語が解明していく爽快感。クロッドとルーシーの関係のもどかしさや、そこで起こる問題や危険を見届けるハラハラ。

ああ、ああ、読む幸せがここにあるんだとしみじみ。

なんでこんな面白い小説今までなかったんだろう?などとトンチンカンなことを考えてしまうくらい、自分にとってドンピシャに面白い小説だった。

 

正直いま平然と感想を書いているようであり、実はこの一巻がとんでもない終わり方をしているのでもうドギマギして、落ち着いていられないのだ。早く読みたい、二巻にこのまま行くべきか、ちょっと深呼吸した方がいいかなとかあれこれ考えている。

それくらい本に日常が侵食されてしまうのが本当に幸せな読書体験だ。

あとまだ二巻と三巻がある。さ、読んで読んで読みまくるのだ。

 

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