本のなかを旅する日々〜かりあの読書日記〜

本大好きのその周辺。思ったことや読んだこと。

ローズ・アンダーファイア / エリザベス・ウェイン

 

 

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素晴らしい…。これは大傑作…。

 

  

あらすじ

 

あまりにも超大作のためあらすじをどう書いていいのかわからぬワシ…。ということで本書のあらすじを載せまーす。

 

1944年9月。飛行士ローズは、戦闘機を輸送する途中でドイツ軍に捕まり、ラーフェンスブリュック強制収容所に送られる。飢えや寒さに苦しみながら過酷な労働に従事するローズ。収容所で出会った仲間と生き延び、窮地を脱するための意外な方策とはーーー。 戦争に翻弄される女性たちの絆と闘い。日記や手紙で構成された、先の見えない展開の果てに待つ圧巻の結末が胸を打つ傑作!

 

  

全体の感想

 

これは本当に大傑作だーー!

しかし読みながらひたすらに苦しかった…。苦しいのに、ローズをはじめとした、収容所で生きる女性たちの行く末に目がそらせないのだ。ページをめくる手が止まらない。

 

ローズが収容所で出会ったのは以下の通り。

フランス人のエロディ、リセット、ミシュリン

ポーランド人のローザ、カロリーナ

ロシア人女性飛行士のイリーナ

そしてドイツ人の囚人、アンナ

いろいろな理由と手違いで、「フランス人」として収容されてしまうローズだが、彼女の支えと救いになったのが、この女性たちだった。

過酷な収容所での生活。彼女たちはいつもお腹を減らしていた。そのことがしょっちゅう書かれる。とにかく彼女たちは腹ペコだったのだ。その描写に出くわすたびに心がぎゅっと掴まれるような悲しみに襲われる。

ローズは離れ離れになった恋人のニックを思おうとするが、いつも食べ物のことに考えがすり代るのだ。それがたまらなく悲しい。

それが一番伝わる場面がある。

ローズが収容所にくる前に塗ったペディキュアをみんなが見つけたときのことだ。

 

カロリーナはこみ上げる笑いをこらえた。「その爪先に名前をつけようよ。ちょっとした楽しいアニメになりそうじゃない。ロケッツ(アメリカの有名なダンスグループ)みたいに、一列になって踊る爪先!ひとつひとつ違うフレーバーの名前をつけよう。チェリー!ペパーミント!」

「赤スグリ!」リセットが言った

「ビーツ」イリーナが言った。

「ビーツだなんて!」ローザが冷やかした。

「甘いし、赤いんだよ」

 わたしはそれを詩にするように頼みこまれた。

「ストロベリー、クランベリー ーー」

「ーーザクロシロップ、ラズベリー!」

 こうして、わたしはペディキュアを塗った爪先についての詩を作った。気が狂うほどお腹がぺこぺこの人間が書いた、〈こぶたちゃん市場へ行った〉のようなものだ。

 (253〜254ページ)

 

こんな素晴らしい小説を文庫で読めたことが本当にありがたい。単行本で3000円だとしても私はこの小説を買って手元に置くだろう。

本当に素晴らしい読み応えのあるものを読んだという気持ち。ラストもよかった。大好きな一冊になった。本棚のいいところに置いておこう。

 

それではまた。

 

 

   

 

 

 

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