本のなかを旅する日々〜かりあの読書日記〜

本大好きのその周辺。思ったことや読んだこと。

皇帝のかぎ煙草入れ / ジョン・ディクスン・カー

 

 

 

 

おお!古典ミステリ!初のディクスン・カー!面白かった!

★4

 

 

あらすじ

 

フランスの避暑地に暮らす若い女性イヴは、婚約者トビイの父サー・モーリス殺害の容疑をかけられる。犯行時には現場に面した自宅の寝室にいた彼女だが、そこに前夫が忍びこんでいたせいで無実を主張できない。完璧な状況証拠も加わって、イヴは絶体絶命の窮地に追い込まれるーーー。「このトリックには、さすがのわたしも脱帽する」と女王クリスティを驚嘆させた不朽の傑作長編。

 

 

全体の感想

 

もしや私、古典ミステリを読むのは初めてじゃない?と思い至る。

うん、初めてだ…。

という事で、今回のこの『皇帝のかぎ煙草入れ』が、私の初の古典ミステリであり、初のディクスン・カー作品ということになる。クリスティすらも読んでないもんな…積んでるのに…。

全体を通して言えるのはとにかく面白かったということ!

主人公であるイヴ・ニールは前の夫であるアトウッドが忍びこんできたばっかりに、目撃者であるにも関わらず、どんどん不利な状況に追い込まれ、結局容疑者として疑われはじめてしまう。とにかく「え!?こいつもかよ!」という意外な人物によってもたらされる不運にまで巻き込まれていくイヴ…。結構このイヴという人物に感情移入しながら読んだ気がする。どうか捕まらないでくれ〜と願いながら。

今回のこの作品では探偵的ポジションにダーモット・キンロス博士という精神科医が立つことになっているのだが、なんつうか、ちょっとこのキンロス博士が私は苦手だった。中間地点に位置し、全体を俯瞰する重要な役割にも関わらず、あんた結構感情に流されてないかい?とついついツッコミを入れたくなってしまうこと、終始一貫。他のレビューでちらりと見かけたのだが、「ストーカーっぽくて気持ち悪い」という意見に笑ってしまうのと同時に激しく同意してしまうww

まさにそんな感じ。

あまりにもイヴにご執心すぎるので、博士さえも疑ってしまう有様。

そういう意味ではこの探偵役はちょっと失敗してない?と思わざるを得なかった。

 

読後は結構あっさりだったと思う。

私自身、ミステリといえば最近の海外モノばっかりを追いすぎていたせいで、帯の「騙されて下さい!」という煽りにあまりにも期待しすぎていた感がある。犯人がわかった時点で「お!?これはまだあるな!?二転三転ってやつだろ!?」とか、現代ミステリにちょっと毒された目で読んでしまっていたので、終わった瞬間に、おやっ…と拍子抜けしてしまった。そこが古典ミステリだということをわかってない、審美眼のない女です、はい。だから結局読後も「もうちょっとこう、二転三転が…」とかワガママを思ってしまったのだよ。わかってますよ、古典ミステリをわかってませんよ、はい。

 

という事で自分で勝手にハードルを上げすぎたアレとして、星は四つって感じです。

 

しかしディクスン・カーの作品群としては今回の作品はちょっと異色らしく、カーの色が出てない作品ということなので、もっとディクスン・カーの特徴が濃く出ている別作品もぜひ読んでみようと思う。

 

それではまた。

 

   

 

 

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